1日の3分の1を占める睡眠は人間が行きていく上で必要不可欠な生活習慣です。そんな中で、「最近寝付きが悪くて悩んでいる」、「寝不足で脳が冴えない」などという問題を抱えている人は少なく、そういった問題は仕事や生活へ大きな悪影響をお越すだけでなく、生活習慣病を引き起こすとも言われています。そこで、今回は寝つきが悪い原因と対策-脳がスッキリする7つの快眠法を紹介します!
睡眠は、人生の3分の1を占めるとても重要な時間です。仮に僕達の人生を80年とすると、そのうち27年間は寝て過ごしているという事になります。そんな睡眠に関して
・何時間寝てもスッキリしない
・変な時間に目が覚めてしまう
・なかなか寝付けない
といった悩みを抱えている方は多いです。そこで今回、僕自身が実践している最高品質の睡眠を取るためのテクニックを、科学的な根拠とともに7ステップにまとめてシェアします。
1つ1つに非常に大きな意味があるので、全てを徹底して行ってもらえれば、翌朝布団から起き上がった瞬間の頭の冴え具合、回復感、満足感など全てが上昇している事をはっきりと体感して頂けるはずです。
1.部屋を完全な暗闇にする
まず、快眠法を語る上で欠かせないのが「光」についてです。
寝室を「完全な暗闇」にするだけで、睡眠の質は飛躍的にアップします。

..という疑問があると思うので、詳しく説明していきます。
まず、僕達の脳内には「松果体」という器官が存在します。
(画像出典:wikipedia)
上記画像の赤い部分が松果体。
上記画像のように、松果体は脳の中央部分に存在し、“メラトニン”という究極の休息ホルモンを分泌する役割を担っています。メラトニンは、血圧やブドウ糖値、体温を下げ、生理的に安らかな眠りをもたらします。
では、松果体はどんなタイミングでメラトニンを出すのか?というと、完全な暗闇にいる時に分泌するんです。この事から、メラトニンは「暗闇のホルモン」とも呼ばれます。
ですので、100%の熟眠を実現するにはまず寝室を完全な暗闇にすることが必須条件になります。
研究では、明るい部屋よりも暗い部屋で寝たほうが、メラトニンの放出持続時間が90分長くなったり、メラトニンの量そのものも2倍以上増えるという結果が出ています。
また、1670人の女性を対象にした10年間に渡る調査によると、強度な光の中で寝ていた女性は完全な暗闇で寝ていた女性と比べて乳ガンになる確率が22%も高くなることが分かったそうです。

と思うかもしれませんが、「カーテンを閉めて電気を消す」というレベルの中途半端な暗闇ではなく、『完全な暗闇』を作って欲しいんです。
もう一度言います。『完全な暗闇』です。
例えば僕の部屋は、外からの光を完全に遮断する為に、窓にビニールテープをベタベタと隙間なく貼り付けています。なので、電気を消せば昼でも真っ暗になります。




と思うかもしれませんが、目の前だけを真っ暗にするのではなく、『皮膚の一部にも光が入らない事』に大きな意味があります。
何故なら、僕達は眼だけでなく皮膚でも光を感じるからです。信じられないかもしれませんが、最近の研究によって、人間の肌には光の明暗や色を認識する“オプシン”というタンパク質が含まれている事が分かっています。
参考記事:皮膚は喜び、傷つき、人を求める – “肌で感じる”ストレスの科学–傳田光洋氏
なので、完璧を目指す場合はアイマスクで目の前を真っ暗にするだけではなく「寝室そのもの」を真っ暗にして下さい。
..ですが、旅行先のホテルなどでどうしても完全な暗闇で寝る事が難しい場合もあると思います。なので、そういった場合にのみアイマスクを使用すると良いでしょう。
尚、平面型のアイマスクだと鼻の周りに隙間が出来て、そこから光が入ってしまうので、立体型のアイマスクを購入することをお勧めします。
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2.入眠1時間前からはスマホやPCの画面を見ない
寝る前に布団の中でスマホをいじったり、就寝直前までPCで作業をしたりしていませんか?
スマホやPCの画面から放たれる強い光は、脳を興奮させる作用があります。
僕達は、脳の視床下部にある「視交叉上核(しこうさじょうかく)」という領域の働きによって、睡眠、覚醒、血圧、体温、ホルモン分泌など、様々な生理機能の24時間リズムを保っています。
画像出典:Circadian Rhythms Fact Sheet
Suprachiasmatic Nucleus (SCN)=視交叉上核
普通は寝ているはずの時間帯に強い光を浴びると、視交叉上核の細胞が「起きるべき時間だ」と勘違いして、メラトニンの分泌を抑制したり、脳の興奮をもたらす「コルチゾール」というステロイドホルモンを分泌してしまうのです。
不自然なタイミングの光は僕達の体内時計を狂わせてしまいます。「明るい時間に活動して、暗い時間に眠る」という、人類にとって極々自然なパターンに従って、入眠1時間前からはスマホやPCの光を見ないように心がけましょう。
3.音を完全に遮断する
次に重要なのが、就寝中に入ってくる一切の「音」を遮断する事です。
最悪なのは、TVや音楽をつけたまま寝る事です。そのような環境で寝てしまうと、就寝中に脳が刺激され続けてしまい、睡眠の質が大幅に低下してしまいます。
僕達の脳みそは「カチ..カチ..」という秒針の僅かな音ですら敏感にキャッチするので、最高の快眠を達成するには就寝時の一切の音をシャットアウトする必要があるのです。
..とはいえ、屋外から入ってくる雑音や虫の鳴き声を100%完全に遮断するのは現実的に難しい場合が多いです。
なので、そういった小さな音もシャットアウトする為に「耳栓」を着用すると良いでしょう。
尚、ふわふわしたスポンジタイプの耳栓は寝ている間にポロッと外れてしまう事が多いので、就寝中に外れにくいシリコンタイプの耳栓をお勧めします。
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4.入眠3時間前からは飲食をしない
夕食は入眠3時間前までに終わらせて下さい。
実は、食べ物の消化は胃腸にとって“超”が付くほどの重労働です。
一般的な量の食事を消化するのに必要なエネルギーは、フルマラソンで消費するエネルギー量(約1600kcal)に相当すると言われています。お腹一杯食べると眠たくなるのはこの為です。
胃袋も膀胱も空っぽの状態で就寝する事で、身体が「回復すること」だけに集中できるので、目覚めた時のすっきり感が驚くほどアップします。
5.入眠1時間前にお風呂に入る
睡眠の質を高めるには「深部体温を下げる」ことも非常に重要です。
人間が表面上の体温とは別に持っているカラダの中心部の温度のこと。
就寝時の身体は深部体温を下げることによって、日中の活動でオーバーヒート寸前の脳や臓器を休ませています。
就寝1時間前の入浴には、人が眠りに付くまでの深部体温の変化をサポートする効果があります。入浴後の「湯冷め」によって、深部体温をスムーズに低下させ、最短で深い眠りに達する事ができるのです。
また、入浴と快眠の関係は、ツムラ ライフサイエンス株式会社の研究によっても実証されています。
出典:就床前の入浴が冷え症を訴える女性の夜間睡眠に及ぼす効果
N=入浴なし, S=シャワーのみ, B=入浴
上記のグラフは、
・N=入浴なし
・S=シャワーのみ
・B=入浴
という3パターンによる交感神経と副交感神経の動きをそれぞれ比較したものです。
交感神経=人が活動している時や、ストレスを感じている時に働く自律神経。
副交感神経=人が眠っている時や、リラックスしている時に働く自律神経。
入浴した場合(B)のグラフを見ると、交感神経の活動が抑制され、副交感神経の活動が亢進されている事が分かります。つまり、就寝前の入浴は、自律神経のバランスを良くして、快眠を促す効果があるのです。
..以上のように、入眠前に湯船に浸かるだけで、深部体温の変化がスムーズになる上に、就寝時の自律神経のバランスが良くなる為、一石二鳥の快眠効果を得られます。
6.起床直後に水を飲む
僕達は寝ている間にも汗をかいているので、起床後は水分不足の状態になっています。
水分が不足すると、血液の粘度が濃くなりドロドロになってしまいます。朝の時間帯に脳梗塞や心筋梗塞を起こす人が多いのはこの為です。
起床直後にコップ一杯(200ml程度)の純粋な水を飲むことで、血行が促進し、自律神経が刺激され、脳や臓器を目覚めさせる効果を得られます。
また、朝の水は胃腸の働きを促進する為、食欲増進や便秘解消にも繋がります。
7.サンゲージング(太陽凝視)を15分行う

身体の24時間リズムを保つ為に、起床後に日の出を15分間見つめるという習慣が非常に有効です。
太陽の光を視神経に送ることで、脳が反応し、メラトニンの分泌がストップされ、逆に「セロトニン」という究極の覚醒ホルモンが脳の中心からドパドパと分泌されます。
この作用によって、寝起きでボーッとしている「休息モード」の頭が、一瞬で「活動モード」に切り替わるのです。
また、日中にしっかりとセロトニンを分泌することは、夜のメラトニンの分泌量の増加にも繋がります。
以上のような理由から、起床直後に太陽の光を脳に染み込ませる習慣は、毎日の快眠に大いに影響します。

..と思うかもしれませんが、太陽の位置が低い「日の出」の時間帯の光は紫外線をほとんど含んでいないので安心して下さい。
出典:国土交通省 気象庁データ:晴天時UVインデックス(推定値)の時別累年平均値グラフ
上図は東京の紫外線量の10年分の平均値を、時間帯別にそれぞれグラフ化したものです。日の出の時間帯(朝6時頃)は、お昼の時間帯と比べて紫外線量が3~4%程度しかない事が分かります。
まとめ
7つの快眠法はこれで以上になります。いかがだったでしょうか?
それぞれを確実に行ってもらえれば、朝起きてから寝る寸前まで脳がギンギンに働いて、爆発的な集中力、アイデア力、思考力、瞬発力をキープする事が可能になります。
是非、日中のパフォーマンスを高める為に、今回紹介した快眠法を取り入れてみて下さい。
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